第10回「 清川浩行監督ロングインタビュー」 インタビュアー・山雄樹


ロアッソ熊本清川浩行監督――まずは大変なシーズン、本当にお疲れ様でした。
清川 お疲れ様でした。
――今、振り返って思うことはどんなことですか。
清川 いろいろあった年だし、それはチーム限らず、熊本の皆さんも含めて大変な1年だったっていうのは感じています。
――チームは、11月20日の最終戦(第42節セレッソ大阪戦)を終えて、1週間のオフ(11月21日〜11月27日)を取られました。監督は、この1週間、どう過ごされていたのですか。
清川 ほぼ家にこもっていました、何もせず。
――「何もせず」、ですか。
清川 ゆっくり日帰りで温泉に行くとか、その程度です。あと、何をしていたって、ほぼ何もしていない状態のほうが多かったです。
――よく眠れましたか。
清川 寝たっていうより、昼寝の方が長かったです。夜は夜で(シーズン中は、準備作業などで遅い時間まで起きていることが)染み付いている部分があるので、朝、目が覚めてしまうところがあって起きる、その原因も昼寝が長すぎたからかもしれないですけど、そんな感じでした。


全員の力で手にした残留
――シーズンのお話を伺います。まず、チームの成績としては12勝10引き分け20敗、勝点46で16位、得点38、失点53という成績でした。成績についてはいかがですか。
清川 満足行く結果ではないし、チームで立てた目標にもほぼ遠いところの数字なので、そこの結果は自分の責任だと思っています。最低限の目標であるJ2に残留できたというところは、最終的にはありますけど、勝敗という勝ち負けのところでいくと、もっともっと頑張らなきゃいけなかったかなと思っています。
――それでも、J2残留というのは、このクラブの池谷友良社長も、「J1昇格プレーオフ進出ぐらいの価値があるもの」だと話していました。それから、リオデジャネイロオリンピックで日本代表を率いた手倉森誠監督も、東日本大震災のときに、ベガルタ仙台を指揮した経験から、「ロアッソだけが被災する、選手たちも傷ついている。そんな中で戦うということは、ベガルタ仙台のときとは比べものにならないぐらい大変だ」と語っていました。
 その中での残留というのは、ものすごく価値があることだと思いますが、いかがですか。
清川 そう言っていただければ、最後に、大変な時期を選手が乗り越えて全員の力でJ2に残留できたというのは、大きかったと思います。個人的には、自分の責任というのは大きかったし、J2に残れたのは、選手のおかげだと思っています。
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